結婚を白紙に
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最初に言ってしまうが、ぼくは彼女との結婚話しを白紙に戻してもらうことにした。
と言っても、まだプロポーズしたわけでも、結納を交わしたわけでもないから、こんな表現はおかしいかもしれないが。
あらためて、現実的に考えよう、と提案した。
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まずは、結婚式プランの相談で。
彼女の考えていた160万のプランは、会場と料理、ホテルの教会での挙式がセットになったお得なもの。
しかし、これ。
いろんなものを加算していくと、こんな金額では収まらないものだったのだ。
彼女の希望している衣装にブーケ、ウェディングケーキ、そこに引き出物や招待状まで加算していくと、かるく300万を超えてしまったのだ。
よく考えると当たり前かもしれない。
そこまで上流のホテルではないが、そこは一応ホテルと称されるところだ。
レストランウェディングならまだしも、教会で挙式となると話しは別だろう。
料理だって、一応フランス料理だし。
彼女はぼくの隣りで絶句していたので、ぼくが見積書を大切に保管するとこにした。
ぼくがとどめを刺すまでもなく、ホテルの従業員さんが彼女にとどめを刺してくれた。
結婚式の費用は、先払いになると。
ご祝儀でなんとか、と考えていた彼女は、先払いになるとまで考えが及んでいなかったのだ。
300万を超える資金を、自分たちだけで先に準備するのは、難しいとさすがに思ったのだろう。
そんな彼女がぼそっと、
「結納金と合わせても難しいか・・・。」
おいおい。
その結納金は、ぼくが出すお金なのだから。
確かに、彼女が前に心配していたうるさい親戚のおじさんへの対応も必要だが、それは余裕があって出来ること。
無理してまで対応することではないのでは?と話しあった。
大切なのは、一緒にいたいという気持ちと、親戚のためだけではなく、友達を含め、来てくれた人みんなのことを考えることではないのかな。
さすがに彼女は落ち込んでいたが、勢いだけで、無理な結婚式をするのではなく、これからじっくり考えて行こうと、プロポーズともとれる声のかけ方をしてしまった。
ぼくが彼女が良いと思ったのは、こういう素直なところだった、と思い出すことが出来た。
そして、彼女の家初めてお邪魔した。
両親に怒られてしまうのではないか、とドキドキして訪問したのだが、意外にも両親もわかってくれていたようだった。
最初から、無理だろう、という気持ちで話しを聞いていたとか。
これから、資金を貯めるために、貯金も計画的に頑張るのだ、という彼女を見て、喜んでくれていた。
しっかりしている見かけと違い、中身がちょっと抜けているところがあって、普段から心配していたそうだ。
彼女の両親の話しを聞いて、ぼくも安心してしまった。
しっかりしていて、がんこな女の子より、どこか抜けていて素直な子が良いのかもしれないな。
なんて(笑)。
こうやって考えると、先に結婚したツレたちは、こういう問題を超えていったわけだから、ちょっと大人だな、なんて考えてしまうぼくだった。
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